2003.09.03 RHCA-2
自主レーベル発足後、初めてのフル・アルバム「COMPADRE」が完成した。通常のメジャー・リリースとは違い、多少の物理的制限はあったはずだが、むしろ、歌いたいことをそのまま言葉にできる自由な状況で作られたアルバムだという。メジャーからインディーズへの移行という、崖っぷちで踏ん張る現状は、このバンドに新しい力も与えたらしく、さらにその中でもバンドを楽しむことを忘れなかったThe MODSの強靱さが、ひとつひとつの音や言葉に宿る作品となった。ひとことで言えば、スピーカーから彼らの血や肉が噴出してきそうなロックの名盤、である。M01「Get In!Get Out!」のイントロ、その始まりのドラムの音からして、突き刺さるような気迫を孕んだ全11曲(実は、プラスお楽しみも有り)は、聴き進むほどにそれぞれが変化に富んだ感触,、高いテンションで魅了してくれる。M01はある意味R&Rに対する恋文であり、「4NO 5NO」や北里の「Summer Days」は独立後の、辛さや充実感、決意表明とも取れる。9.11テロ事件、続くアメリカのイラク攻撃と、情勢が悪化する中、黙っていられず限定リリースしたシングル「F.T.W. “Fuck The World”」も、サイレンの音と共に3曲目に収録された。“自分の歌が武器になるのなら、歪んだ世界の真ん中でロックしてやる”と、あえて大上段に宣言している姿が印象的である。アルバムの11曲目には「Keep Your Finger Free」というThe MODSの王道とも言える曲が収録されている。曲が醸しだす危機感もさることながら、森山の日本語ロックの作詞センスが光る、思いの丈が集約されたこの1編に、誰もが胸を揺さぶられるに違いない。最後にもう一度言おう、これはロックの名盤である!