マキシシングル『DRIVE WAY JIVE』好評発売中!
約3年半振りのアコースティックのナンバーとなる『DRIVE WAY JIVE』と題されたマキシシングルは全4曲を収録。新曲3曲に加え、「夜に抱かれて/SHADOW OF THE NIGHT」のアコースティック・セルフカバーを大胆なアレンジにて収録。どの曲からも新たなるモッズの萌芽が感じられる。
THE MODS『DRIVE WAY JIVE』
01. DRIVE WAY JIVE 試聴MV
02. 旧型ブギー 試聴
03. やってられないぜ 試聴
04. 夜に抱かれて/SHADOW OF THE NIGHT 試聴
・発売日:2022年11月9日
・品番:RHR-16
・価格:1,500円
・発売・販売:ROCKAHOLIC Inc.
この商品はライブ会場販売・通信販売・デジタルリリースになります。
一般のCDショップでの販売は行いません。
・ROCKAHOLIC Official Goods Storeにて好評発売中!
・配信リンク:https://ssm.lnk.to/DRIVEWAYJIVE
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詳しくはこちら⇒
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『DRIVE WAY JIVE』LINER NOTES text by TAKASHI HONDA
THE MODS(以下モッズ)41年目の新譜は、ブルースなど、アメリカン・ルーツミュージックに回帰しながら、メロディの力強さが際立ったアコースティックナンバー4曲を収録したマキシシングル『DRIVE WAY JIVE』だ。
コロナ禍の閉塞感の中、この状況を突き抜ける閃光のごとくドロップされ、ロックンロールバンドとしての本領が凝縮された前作『READY TO ROCK』から約1年。不退転のロッカーはより深化を遂げ、新たな局面をファンに見せてくれる。
今年(2022年)の春、モッズのデビュー40周年を記念するツアー第2弾『THE MODS 40TH ANNIVERSARY LIVE ENCORE「続・約束の夜」』のスタートに際し森山達也にインタビューした時、彼はこのようなコメントを発していた。
「次の野音でアニバーサリーは終わらせるべきだし、でも、それプラス新曲を早く出したい。新曲の想いを早く伝えたい。それが41年、42年に繋がっていくことだと思うしね」と。
40周年すら通過点だと言う森山らしい発言だった。その新曲がこの『DRIVE WAY JIVE』であり、つまりこれが、いち早くファンに伝えたい森山の想いでもある。
アコースティックスタイルのモッズを語るには、1997年にリリースされたセルフカバーアルバム『easy listening』が起点となる。「夜のハイウェイ」「LOOSE GAME」「パズル・シティを塗りつぶせ」など珠玉の名曲たちのアコースティックナンバーは、楽曲が本来持つメロディの繊細さや歌詞のリアリティを一層際立たせた傑作となり、ファンにとってはモッズサウンドの新たな発見となった。そして2019年にはミニアルバム『ROCKIN’ CABARET BLUES』をリリース。同じくアコースティックスタイルでありながら、『easy listening』とは趣向も方向性も異なる作風でいわゆるメンバーとファンが言う“座りモッズ”としての音楽性を確立する。
『ROCKIN’ CABARET BLUES』はアコースティックの持つ、静的なイメージを覆すような、ダイレクトなライブ感と疾走感を伴う英国のビートグループを基盤としているバンドならではのグルーヴが最大の特徴だった。モッズはこのミニアルバムで、多くの人が持つアコースティックに対するパブリックイメージを覆したと言っても過言ではないだろう。
今回リリースされる『DRIVE WAY JIVE』は『ROCKIN’ CABARET BLUES』で生み出したモッズならではのグルーヴを熟成させ、より深くルーツへと回帰しながらも最新のギミックを施す。バンドとして決して枯れることのない太い幹を持ちながら変化を厭わないモッズ41年目のブランニューサウンドだ。
表題曲「DRIVE WAY JIVE」は、歌詞の一節に「転がる音にまたがり 時間旅行へ自由にブッ飛べ」とあるように、モッズがいざなうロックの故郷への旅にも感じられる。若き日からモッズのメンバーが恋焦がれた英国のビートグループ、ローリング・ストーンズ、キンクス、ヤードバーズ…その源流であるアメリカンメイドのブルースに寄り添う。そんな時を超え郷愁を帯びたアーシーな質感が一瞬ブレイクする無音の隙間からも染み渡り、バンドのアンサンブルは森山のヴォーカルを際立たせる。まさに森山の歌でバンドが転がりだすといった印象だ。シンプルな楽器構成だからこそ、それが強く表れている。
今作のプロデュースは『ROCKIN’ CABARET BLUES』と同じくKOZZY IWAKAWAだ。KOZZYは言う「毎回プロデュースってことでクレジットを入れてもらっているけど、正直便利屋です」と。そうは言いながら、メンバーから出るフレーズや、スタジオでジャムセッションをしながら方向性が決まっていく楽曲をベストな形として具現化させていく。モッズの音楽性を知り尽くし、メンバーが全幅の信頼を寄せるKOZZYの存在は不可欠だ。
それが顕著に表れているのが、「夜に抱かれて/SHADOW OF THE NIGHT」のセルフリメイクだ。モッズ5枚目のオリジナルアルバム『BLUE -Midnight Highway-』に収録されているオリジナルバージョンは、極めてソフィスティケートされた楽曲だ。そんな本来のイメージを覆すぐらい、歌、メロディ、リリックが剥き出しになっている。特にメロディの素晴らしさと、唯一無二の表現力を持つ森山の歌声が2022年の現在に新たな息吹をもたらす。
KOZZYいわく、「当時の最先端の技術で録音された曲なので、現時点でも最新のアプローチにも耐性のある曲だと思い、EMDやアンビエント系のリズムを取り入れ、メンバーが演奏するアコースティックに合わせて再構成した」と言う。このコラボレートが最新型のモッズサウンドとして成立したと同時に、バンドとしての太い幹を持つアンサンブルと、森山の歌声がいかに普遍的であるかということを証明した。その普遍性は、優しくもあり、哀しくもあり、そして力強い。
歌詞の世界観に目を向けると、そこにはモッズらしさが溢れている。モッズはこれまでも揺れ動く世界情勢、自分たちの身の回りに起こる疑問や、生きていく上で素通りすることの出来ない時事的な問題を歌にしてきた。それがモッズ流のロックンロールだ。前回のツアー「続・約束の夜」でもプレイされた「UNDER THE GUN」にしても当時の情勢を切り取った言葉が世界の現状を映す。今回もその方法論は変わることがない。そして、時代を憂うのではなく前に進んでいく気概や、暗澹たる世界情勢を見渡した森山なりの回答をそこに垣間見ることができる。どんな状況下においても流されず、ゴキゲンになれるたったひとつの手段、“ロックンロール”を身につけていれば大丈夫…と個人的には感じ取ることができた。いつだったかのライブで森山がMCで発した「ロックは痩せ我慢。いくつになっても恰好つけよう」という言葉の精神性の部分がここにに集約されているのではないだろうか。
デビューから一貫して目の前のファンと真摯に向き合いながらザ・クラッシュの最盛期に匹敵するステージングを重ねてきたモッズのアコースティックという新基軸は、これからも極上の時間旅行へいざなってくれるだろう。