LIVE DVD『約束の夜』好評発売中!
2021年10月30日、40周年を迎えたTHE MODSが舞い降りたのは日比谷野音。どんな制約の中でも通底するロックへの想いは静かに熱く会場全体を包み込んでゆく。新旧織り交ぜてのセットリストには彼らの40周年という長い歴史、そして現在が凝縮されている。この日を待ちわびたオーディエンスとバンドが生み出した「約束の夜」を受け止めてほしい。
【収録曲】
BLUE RESISTANCE 試聴 / FRIEND OR FOE / TIME 試聴 / TRUST ME / BACK TO ALLEY / ROCKIN’ CABARET BLUES / YOUNG GUNS / READY TO ROCKE 試聴 / GUNSLINGER ROCK / FAKER BUT SHAKER / GOOD FELLOWS / BLACK BLITZ BOY / EXCUSE ME, Mr.FUCK / TOMORROW NEVER COMES / スケッチソング / LET’S GO GARAGE / NAPALM ROCK / LOOSE GAME / 他に何が / TWO PUNKS
・THE MODS『約束の夜』
・発売日:2022年6月8日
・品番:RHBA-38
・価格:5,500円(税抜価格5,000円)
・仕様:DVD片面二層1枚
・発売元:ROCKAHOLIC Inc.
・販売元:SPACE SHOWER NETWORKS INC.
・全国CDショップ・ROCKAHOLIC Official Goods Storeにて好評発売中!
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『約束の夜』LINER NOTES text by TAKASHI HONDA
2021年10月30日、THE MODS デビューから40年目の日比谷野外大音楽堂公演。あれから約7ヶ月、モッズのメンバーにとっても、ファンにとっても忘れられない、あの夜の全貌を記録したDVD『約束の夜』がリリースされた。この記録は、極上のロックンロール・エンターテインメントであると同時に、今までバンドの熟成と共に重ねてきた幾度もの野音公演とは違う、覚悟と試行錯誤の上に成り立ったドキュメンタリーでもある。
コロナ禍におけるソーシャルディスタンス。客席を満杯に埋めることはままならない。ファンはマスク装着のため、メンバー4人がステージに足を踏み込む寸前、ピークに達する “モッズ・コール” は封印された。野音の空に響き渡るのは拍手のみ…そんな異例づくしのアニバーサリーだった。だからこそ、忘れられない夜になった。歓声は聞こえなくても、ファンがステージに向ける熱い視線から、モッズに対する真っ直ぐな熱い想いは何も変わっていないことがわかる。モッズと共に歩んできた人生が、そう簡単に変わるはずがない。つまり、目に見えない、本当に大切な部分までもコロナに盗られることはなかった。
もちろん、有事とも言える厳戒態勢の中での野音公演となれば、どのようなステージをするか、メンバーの中でも迷いや苦悩があっただろう。そして、この答えとして導かれたのは、魅せて、聴かせるという、こんな状況だからこそ実現できた極上のロックンロール・エンターテインメントだった。いつものような “ノセて、煽って” という激情に飲み込まれるようなステージングとは違うが、モッズが40年間積み重ねてきた揺るがないスタイルの根幹がそこにあった。媚びることのないアティチュードを体現できるリリックと、重厚なアンサンブル、そして、琴線に触れるメロディをたっぷりと堪能できるセットリスト。それは引き算の美学だった。
聴かせることに重きを置いたこの日のライブについて、「そこには歌詞が重要だった」と森山は言う。演奏された1曲、1曲には、モッズがこの日、野音のステージに立った真意が込められていることを改めて実感する。
オープニングナンバーは、レコーディングされたオリジナルよりBPMを落とし、楽曲本来の持ち味を最大限に打ち出した「BLUE RESISTANCE」だった。そして、2曲目「FRIEND OR FOE」、3曲目「TIME」という『PROUD ONES』からの選曲は、モッズのロックンロールが常に時代を映す鏡であることを体現していた。ここからは、40周年は通過点というバンドの意志を強く感じる。そして、苣木が歌う「BACK TO ALLEY」には「近況報告です」という言葉が添えられた。
そう。この日のセットリストは、メンバーからファンへ送られる書簡のようでもあった。ツアー中断を余儀なくされた2020年の3月から一年と半年、森山をはじめとするメンバーが何を思い、何を見据え、この “約束の夜” にたどり着いたのか。楽曲を通じて、その心のうちが解き明かされてゆく。
ライブが中盤に差し掛かる頃プレイされた「YOUNG GUNS」の中で歌われる「罠を潜りぬけ/約束の地へ」や、「FAKER BUT SHAKER」の「マボロシでもイイ/ノセてくれ…せめて逃げずに/ダマしてくれ 最後まで」といったリリックから、森山をはじめメンバーのライブへの渇望と、野音という格別の場所で、なんとしてもファンとの約束を果たしたいという決意が溢れていた。そして、本編ラストにセレクトされた初期の大名曲「TOMORROW NEVER COMES」では「体はまだ無傷さ」と、デビュー当時と同じマインドを持ち続けながら、これからもバンドを継続させていくという、今のモッズの決意表明のようにも感じた。
そして、客席を彩る青いサイリウムの光に迎え入れられたアンコールの1曲目は、音源を出してから初のライブ演奏となる「スケッチソング」だった。「ありのままの自分を描け…」と歌う森山の声が空に響き渡る。圧巻のシーンだった。飾らないシンプルなアレンジだからこそ、普遍的なメッセージが深く心に染み込んでゆく。
演奏する楽曲を通じてファンに語りかけるようなステージ。メンバーの表情がアップにされるシーンからは、この日がいかに特別だったかがダイレクトに伝わってくる。確かに、ここに映される森山の表情には笑顔が多かった。緊張感溢れるステージングの中で時折見せる笑顔、そして、アンコールのラスト「TWO PUNKS」では、森山の目がうっすらと濡れているように見えた…。このワンシーンを何度も見返す度に、胸がいっぱいになる。
日本のロックにおける道筋がまだ確立されていない80年代のはじめから、モッズは最前線でシーンを牽引してきた。それは決して平坦な道のりではなかったはずだ。その中には、幾度となくバンド継続の危機があったと思う。それでもモッズは命を賭け、目の前のファンのために揺るがない矜持を持ち、ライブを主戦場として活動を続けてきた。長い、長い道のりだった。そして、この道のりはこれからも続く。その中でもメンバーが別格だと語る “約束の地” 日比谷野外大音楽堂。この日の記録は、デビュー1年目に行われた “雨の野音” と同様にファンの心に深く刻まれるだろう。